リヨン光の祭典 〜FÊTES DES LUMIÈRES〜

Bonjour! はじめまして、フランスパリに留学中のayanoです。もうすぐクリスマス!フランスではあちこちでクリスマスマーケットが開かれています。街を彩るデコレーションやイルミネーションは見るだけでテンションが上がりますよね。とうわけで、今回は毎年フランスの大都市リヨンで開かれている世界的に有名な光の祭典"FÊTES DES LUMIÈRES"に行ってきたので、そのリポートをしたいと思います。

 

 

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毎年4000万人もの人が訪れるこのお祭り、その歴史は1852年に遡ります。街のシンボルでもあるマリア様に祈りを捧げるために人々ががろうそくの灯をともしたところ、リヨンの街が一晩中照らされ続けたのが始まりで、なんともロマンチックな伝統をもったイベントなんです。近年ではプロジェクションマッピングにも力を入れていて、世界中からアーティストや観光客が訪れるようになっています。

このイベントの魅力はクリエイターによって異なるコンセプトのプログラムを楽しめる点です。ただ私が参加した日は東京の花火大会並みの混み具合で、40以上ある全てのプログラムを見ることはできなかったので、個人的に興味深かったものをいくつか紹介します。

 

 

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1つ目はゴールデンアワーという名前の大きな時計のオブジェ。目にした瞬間釘付けになるインパクトの大きな作品でした。中心にあるのは19世紀から受け継がれている噴水で、当時を再現した文字盤からは歴史の崇高さが感じ取ることができます。ちなみにゴールデンアワーとは日の出直前または日没直後の時間帯を指す写真用語で、どんな被写体も美しく撮れることからそう言われるのだとか。個人的には日の入りかなと思うのですが、皆さんはどっちだと思いますか。

 

 

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2つ目に紹介するのはイルミネーションの庭園。豪華絢爛な生活を送ったことで知られるフランス絶対王政時代の王ルイ14世の像がこの広場にはあります。彼はかの有名なヴェルサイユ宮殿の庭園を整備するため全国から有名な庭師を呼び寄せたとも言われ、プログラムの解説によればこのイルミネーションはそんな庭師の手腕をかけたコンテストをイメージして作られたんだそうです。もしルイ14世が今でも生きていたらこんな庭園を造らせたのかもしれないなと思いました。

 

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3つ目はプロジェクションマッピング。映像が正面の壁だけでなく側面にも映し出されるので、建物全体が映画館のスクリーンのようになっていて斬新でした。女の子が夢の中で次から次へと有名な主人公になりきる物語で、短いながらも映画仕立てになっているところがさすがフランスだなと。そういえば映画の発明に貢献したリュミエール兄弟が生まれ育ったのもここリヨンの街なんですよね。

 

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プログラムを知らなくても十分楽しめますが、それぞれコンセプトがあるので知ってから見るとより色々な発見があって面白かったです。世界遺産にも登録されているリヨンの歴史的建築とイルミネーションという現代アートが融合した素敵なアートフェスティバルでした。