台湾・ART TAIPEI 2017
ART TAIPEI 2017
你好!そして新年快樂! 台湾に留学中のKisakoです。
私が滞在しているここ台北では、毎年ART TAIPEI(台北国際藝術博覧會)と呼ばれるアートフェアが開催されています。(昨年の公式ホームページはこちら:ART TAIPEI 2017 - Home)
このアートフェアはアジアの中で最も歴史があると言われており、24回目となる今回は2017年10月20日から24日までの4日間、世界貿易センタービルにて開催されました。
韓国・香港・中国などのアジアのアートギャラリーはもちろん、ロシアやフランス・アメリカなど世界各国から100を超えるギャラリーが参加しました。台湾からは62、そして日本からは21のギャラリーが参加していました。
チケットは、前売りではNTD250(日本円にして大体1000円くらい)通常チケットはNTD350(1400円)、学生チケットはNTD280(1120円)で購入できます。
さて、このART TAIPEIでは主に平面作品(絵画)が多く見られましたが、他にも映像作品や彫刻作品など実に様々な作品がありました。
作品数は3000点にものぼるそうですが、さっと見ると5時間、ゆっくりしっかり見たい場合は2日間通って(開催時間の最初から最後までずっと時間を要するわけではないと思いますが)見ることができるくらいの量だと思います。
今回はその中から私が特に興味深いと感じた作品をいくつかピックアップして紹介していきたいと思います!
まず、Hong Sang-Sikさんの作品を紹介します。
柔らかい形となめらかな陰影が印象的なこちらの作品。
一体何から作られていると思いますか?
答えはストローです!
拡大してみると細くて小さい円柱の集合が見えるかと思います。一見平面作品のように見えて、大量なストローを用いて作られたこの作品は、ストローが持つ特有の半透明な材質と題材が調和した素敵な作品だと感じました。
次に杭春暉(Hang Chunhui)さんの作品を紹介します。
とても丁寧な描写と美しい色面が印象的なこの作品。絵の形が四角ではないところも興味深いかと思いますが、他にも面白い仕掛けがあります。
写真では分かりにくいと思いますが、中心部分が少し膨らんでいるのが見えるでしょうか?
私自身今までにも錯覚に着目した作品を見たことがあったのですが、『立体的に見える平面作品』というのではなく、『「立体的に見える平面作品」に見えるちょっと立体的な平面作品』というのがとても斬新で、まさに錯覚慣れしてしまった私たちにぴったりの面白い作品だと感じました。
次に盧征遠(Lu Zhengyuan)さんの作品を紹介します。
皆さんは普段絵を鑑賞する際、額にどれくらい注目しているでしょうか?
この作品は額と絵の関係性について私たちに考えさせてくれる作品だと思います。
見ていただくとわかる通り、この額は氷をイメージして作られています。ただ綺麗なのではなく、砂利が少し混じったようだったり、所々溶けたり気泡が入ったような表情がとてもリアルです。
この作品は描かれているモチーフと、普段鑑賞者があまり意識しないであろう絵の外側の額も作品の重要な一部として作られています。作品内での額が担う役割が新しく、興味深いと感じました。
そして最後にYi Hwan Kwonさんの作品を紹介します。
まずこの画像をご覧ください。
画像のサイズを変更しようとした際に間違えて引き伸ばしてしまった・・・というような経験、みなさん一度はあるのではないでしょうか。私はこの作品を見た際、真っ先にその時のことを思い出しました。妙な焦りとこんなはずじゃなかったのに・・・という静かな絶望を覚える気持ちです。
2次元の画像ですらそれくらいショッキングなのに、(私にとってだけなのかもしれませんが)なんとこの作品は立体作品なのです。
会場でこの作品を見たとき、私は本物の赤ちゃんがサイズ変更を間違えてこの世界に出てきてしまったかのような感覚を覚えました。
こうして写真の中でもう一度この作品を見た際とても安心するのは、私自身が会場で出会ったあの不思議な空間をまだ落ち着いて処理しきれていないからなのでしょう。
ボールと赤ちゃんの材質がそれぞれ異なっているのもこの作品の魅力です。
今回はアジアのアートフェア、ART TAIPEIと今回私が出会った面白い作品をいくつか紹介しましたが、ART TAIPEIにはまだまだ紹介しきれないくらい面白い作品がたくさんあります。
ART TAIPEIは毎年開催されるので、10月第3週あたりから11月の上旬にかけて台湾に行く機会があれば是非お立ち寄りください!
そして自分のお気に入りの作品を見つけてみてくださいね!
それでは再見!